勝ち組っていいですか？

強い者も弱い者もないのだ。弱い者より強い者が苦しまなかったと誰が断言できよう▼免罪符を金で買って社会的には清々しても、内面的解決にはならないだろうな。こんな私でも、また、やり直すことができるだろうか。やはり、出発点は常に私の中の「こんな私でも」という部分なのだろう。その「こんな」性が明確になった時、罪から逃れる気持ちから免じられるのではないだろうか。▼転機の度に、私は「こんな」性を突きつけられる。自ら求め、究めるものではなく、突きつけられる。まるでみかんの絞り汁で書いた隠し文字を炙り出されるように、２年間も火に掛けられた私の「こんな」性は、今ではひと文字ひと文字がはっきり読めるほどだ。▼はて、生き直すことができるだろうか。できるかどうかはわからないが、私も愛されているのだろうか？▼「踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番よく知っている。踏むがいい。私はお前たちに踏まれるため、この世に生まれ、お前たちの痛さを分かつため十字架を背負ったのだ。」