K CPから頂いた詩集
詩人の茨木のり子さん死去
【asahicom:2006年02月19日23時56分】鋭い批評精神とヒューマニズムに裏打ちされたみずみずしい表現で戦後女性の生を歌い上げた詩人の茨木のり子(いばらぎ・のりこ、本名三浦のり子=みうら・のりこ)さんが、東京都西東京市の自宅で死去していたことが、19日分かった。79歳だった。
自分の感受性くらい
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
さびしい。この詩を分かるようになるまで11年もかかってしまった。