マリーゴールド

N0WHereNowhere2007-07-10


春に植えた三色すみれを、マリーゴールドに植え替えた。抜き取る際に「お疲れ様でした」の言葉が自然と漏れる。まだ咲きそうなものは持ち帰り庭に植えかえる。▼10日前にNHK時代の後輩と、山形・東京で大変の世話になったエグゼクティブ・プロデューサーに会うことが出来た。10年ぶりだった。▼待ち合わせ場所はNHK東口。いわゆる紅白の出入り口に近いところ。後輩の計らいで、実は私が現れることは内緒だったのだ。▼待ち合わせ場所に時間通りに行けば、あちらもばったりフレームイン。私に会うなり、私のその後をとても心配してくれていた。前理事のO氏とトイレで会い、私はどうしているとそんな話をした後で、私がいきなり現れたものだから驚かれていた。▼この方は酒豪でならしていた。それが、二度の膵炎による入院。次は死にますよ、と医師に言われた。爾来、一滴も飲まぬという。「七十までどーしても生きたいんだよ」。余計なお世話だが扶養家族になっているお孫さんがいる。おじいちゃんに似たかわいい女の子。5歳。毎日インターナショナルスクールに送るのがこのおじいちゃんの日課。▼おじいちゃんの夢は、2002年物のワインを孫娘と共に飲み明かすこと。あと14年半。▼私はこの人にはどうしても70歳まで生きて欲しいと思った。禁酒解禁を待ち望みます。是非また「食」の話で花を咲かせて欲しいです。▼「死んでしまいたい中年男」と「どうしても生きたい初老の男」。人生にはさまざまな交差点があるものだ。14年半。私も頑張って、53歳まで生きて、もう一度この人と飲みたい。「どうしてもこの人と飲みたい」▼行きつけの喫茶店、コヒー一杯で花が咲く。件のプロデューサーはコヒーも一日一杯まで。長居は店に悪いと、私だけ2杯目のお代わり。図々しくもご馳走になる。▼お礼に山形のさくらんぼを送る。佐藤錦は終わってしまったが、それなりにおいしいさくらんぼが届いたようだ。お礼の電話をいただく。「また、飯でも喰おう」。電話をいただけたのが嬉しかった。▼マリーゴールドよ、秋まで咲き誇っておくれ。▼かくいう私は先々週の金曜日から出られないでいる。自分で自分がうっとうしい。