タラント

N0WHereNowhere2005-07-19



その者のタラントは、誰が評価すべきなのか。▼タラントとは願望ではなく、現実である。ではタラントの現実性とはいかようなものであろうか?▼私はどうしても王道を歩けない人間である。そこには如何ともし難い嫌悪感があった。王道への嫌悪。その源流は、私の誕生にまつわる物語が関係しているのかも知れない、と勝手に思う(http://d.hatena.ne.jp/N0WHereNowhere/20050629)。しかし、この物語自体、私の人生やタラントに無理やり何らかの意味を与えようとする、私の願望かもしれない。
▼長男は小学校に上がる前から本を勝手に読む。数字を勝手に覚える。小2で『モモ』を読み、『ブラックジャックによろしく』を読み、『ドラゴン桜』を読む。読後に話をすると、きちっと理解されているのが分かる。小3で中学1年の方程式を解く。▼コイツのタラントは何かと、親として思い悩む。おそらく私と違い、王道を歩むことに嫌悪すら感じないのだろう。王道を生きることが、彼に与えられたタラントなのかもしれない。親はどこまで影響を与えるべきなのか。▼私の願望ではなく、彼のタラントの一側面を切り取る。私の手鏡で、彼のタラントを写し込み、彼に見てもらう。そして、彼の中に数多くある「生き方の判断材料」のひとつにしてもらう。万一、彼が「私が好きになれぬもの」(http://d.hatena.ne.jp/N0WHereNowhere/20050713)になったとしても、それが彼に与えられたタラントであるし、それこそがタラントの現実だ。
▼大切なのはタラントの種類や量ではない。自らのタラントをけっして土に埋めてしまわない強い志である。▼そして私は息子を見ていて思う。土に埋めてしまったままの私のタラント。そろそろ本気で掘り返さないといけないと。


▼長い間、1タラントの量が、どれほどの量かを知る機会に恵まれなかった。最近見聞きしたところによると、1タラントは100ポンドだという。100ポンドということはキロ換算にして約46キロ。46キロの金塊を想像してみた。時価で6,500万円。会社の資本金にしたとしても立派なものである。▼たかだか1タラントと侮るなかれ。これほどに、人それぞれが与えられた賜物は大きいということだ。タラントを評価するのは誰なのか。少し判ってきた気がする。

▼マタイによる福音書25章15節以下を参照。

ブラックジャックによろしく(7) (モーニング KC)

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ドラゴン桜(1) (モーニング KC)

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