審判

N0WHereNowhere2005-08-20



本日、合計4回。灼熱のグランドで塁審をやりながら、目の前が暗くなりかけた。もう少し試合が続いていたら倒れていただろう。それにしてもしかし、これがいい。何かを倒れそうになるまでやる。限界と言うヤツですか。最近とんとそういう機会に恵まれなくなった。というより、自分から限界に近づかなくなった。だから倒れそうになる瞬間を今日は十分に堪能した。▼野球は総体としてつまらないスポーツだ。ワンプレー、ワンプレーはすばらしいし、感動にあふれる瞬間がある。ところが、これが、適応を極端に強いられるスポーツなのだ。特に日本では。▼長男が試合に出た。本来ならば高学年チームだけが出る大会に、人数が少ないので3年生の長男も借り出された。守備の後、打席が回ってくる。そこで打席に立つことを、彼は拒否した。いつもやっているジュニアチームの雰囲気と違い、楽しくないのだ。▼監督絶対服従。エラーすれば守備位置をころころ変えさせられる。いわゆる「野球」がひどくつまらなかったのだろう。『キャプテン』に出てくる青葉の監督のような大人に、はっきりとノーと、しかも試合の最中に言ってのけたのだ。▼コーチとしてベンチに入っていた親としては立場が無いのが普通だ。しかし、この子にしてこの親あり。口にこそ出さないが、私は心の中で彼に拍手喝采を送った。いつまで日本人はこんなつまらない野球をやるのだろう。▼子どもに野球を強いる大人たちよ。あなたの人生こそ何なのだ。子どもに期待する生き方よりも、自分の人生をどうにかする方が先だ。自分が思っているよりも残された時間はそう多くはない。子どもに早くやれと言う前に、自分がやれ、だ。最近野球に行くと、いつもそう思う。▼そんな人生は、最期の日にどのような審判を受けるのだろうか。私が彼らの塁審だったら「OUT!」と、たったひと言、浴びせてやりたい。