曇天

N0WHereNowhere2006-02-02


低く垂れ込める雲は、綿の布団をかぶって寝るようなものだ。私が子どもの頃、慣れるのに時間が掛かったものがふたつある。ひとつは洋式トイレ。力の入れようが理解不能だった。もうひとつは羽毛布団だ。そのあまりの軽さに暖かさを感じることができなかった。錯覚なのだが。今、旅先で綿布団に出会うと、なんと重苦しいことか。日本海の冬空を離れて12年。今日の雲はかつてより重いのだろうか。