テロ

N0WHereNowhere2005-07-08

フォトリーディングという読書法を試みている。今は一日一冊の本を読んでいる。はじめは胡散臭いと思ったが、今のところいい調子だ。▼一冊の本で、人がイイタイコトはそう多くはない。イイタイコトの周りにエピソードというころもをつけて口当たりを良くしているだけだ。最近になったやっと思い出す。考えてみれば、かつて表現者として仕事でやっていたやり方だった。▼今では一冊の本を理解するのに要する時間が1時間切るようになってきた。試みを開始してから1週間である。本を読むのには時間がかかるものだと、勝手に思い込んでいた。30分で、いや10分で読もうと思えば読めるのである。▼フォトリーディングというのは、意識での読書から離れ、無意識・潜在意識で読むものだという。今、このように書いていても誠に胡散臭い。それでも、どうせ、どのような方法を取ろうとも短時間で本を読み終えることが出来ない。さらに、その読法やったからといって失うものもない。やるなら思いっきり騙されてみよう。そう思ってはじめてみた。▼この一年間かつてない大量の読書をしている。と、言っても人と比べたら、私など下の下だ。あくまで私の経験上の話。狭い世界での出来事。大量の情報に接しているとこれはあかん、まともに全部摂取しようとしても無理や、となる。▼そうなると「勘」で読むようになる。飛び込んできた言葉を中心に回すようになる。それで意味が十分に取れるし、かえって以前よりも印象に、記憶に残るくらいだった。▼アマゾンのADを見ていてある本が目に入った。なるほど10倍速く読めたらいいな。でも、胡散臭いなあ。いつもだったらやめるとこだが、その胡散臭さに遊び心が加わった。騙されてみよう。そして、その騙され具合を楽しもうと考えた。▼もしかしたら、今も騙されているのかもしれない。それでも遊ぶには十分におもしろい。東京ディズニーランドよりおもしろい。1050円でこれだけ楽しめれば、安いものだと思っている。▼ところが、意識は既成を頑なに守ろうとする。フォトリーディングを徹底的に拒否しようとする力が働く。これはこれでまたおもしろいと感じている。今日はイギリスで同時多発テロがあったので『大英帝国衰亡史』(中西輝政)でも読もうか、どうしようか。▼これから先、どうなるのかは分からないが、意識へのテロを試行し続けるつもりだ。意識が震え上がり、怖気づいているのを強く感じる。それでもテロを繰り返す。徹底的に。効果的に。

図解! あなたもいままでの10倍速く本が読める

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大英帝国衰亡史

大英帝国衰亡史