所属

N0WHereNowhere2005-08-09



鴨川自然王国の話。私は今年の5月に開かれた「里山帰農塾・入門コース」に参加した。入門コースは年3回ほど開かれており、私が11期生となる。集まるメンバーは性別・年齢・職業等々多彩だ。その同窓会が先週の土日と行われた。▼木陰で20人ばかり車座になり語らう。そこで私は気が付いた。ふたつの人種がいると。「かち組」と「まけ組」だ。私は俄然「かち組」である。若者の多くが「かち組」なのではないだろうか。そして、定年を見越して帰農しようと思っている方々は「まけ組」ではないかと。▼都会に暮らし、農業でない何かで生業を営む。しかし、ここに来て農的生活の価値に気付いてしまった。いわゆる「価値組」である。この人たちは「農的」というものに、理由はまだ定かではないのだが、ある種本能的に引き寄せられてしまった。▼一方、熟年・定年世代の多くは話が具体的だ。地域への根ざし方。土地の購入の仕方。そのノウハウを求める。特に農耕技術の習得に関心が高く、なぜ帰農塾でもっとそのノウハウを教えてくれないのかと迫ってくる。この人たちはいわば「蒔け組」だ。▼鴨川自然王国は「価値組」と「蒔け組」のカオスである。それが心地よい。「価値組」一色でもなく、「蒔け組」の天下でもない。王国が、私の「希望の王国」である所以である。▼発展の後ろには累々たる「負け組」の屍が転がっている。勝手ながら、王国は下手に発展をせず、存続する国であってほしい。そこに行けば「勝ち組」も「負け組」もない。