基準操業度

N0WHereNowhere2005-10-20



日商簿記2級の工業簿記に「基準操業度」というのがある。製品の原価を知るためには間接経費を計算しなければならない。この経費の算出は非常に複雑であり、時間も掛かる。したがって、前もって会計年度の初めに「1年間に工場が操業できる量」を、過去の経験等を元に予め決めておく。このことを「予定」という。この「基準操業度」すなわち「1年間に工場が操業できる量」の見積もり方には4種類ある。①理論的生産能力 ②実際生産能力 ③平均操業度 ④期待実際操業度。 ①、②は工場や施設のキャパシティーだけに着目した単純だが非現実的な考え方。③④は景気変動の影響や顧客の需要までを視野に入れた現実的な算定基準である。▼前置きがながくなったが、私は何かを為すことを予定する時に、すなわち「操業」する時には、おおかた①の理論的生産能力を中軸に物を考え、感じ、人にも要求してしまう。理論的生産能力というヤツは、とにかく最高の能率で全く操業が中断されることのない理想的な状況においてのみ達成される操業水準であり、不可避な作業休止などを全く念頭に置かない硬直した考え方だ。硬直していることは分かっているのだが、この考え方がなかなか抜けず、私自身苦労しているし、他人には迷惑をかけているに違いない。▼簿記の学習をしながら、そんなことを考えている。今日も当初の予定よりも学習がはかどらなかった。気持ちが乗る時、乗らぬ時。とにかく私は理論的生産能力が高すぎる。これは、今まで理想が高いのであって、良いことだと思ってきた。どうもそうではないらしい。だから日が暮れかかる今頃の時間になると決まって、今日もダメだった、と感じてしまう。ああ、普通の工場になりたい。そして、今日も良い一日であったと感謝できる工場になりたい。