六本木心中

N0WHereNowhere2006-04-13


水俣キャンプを共にした○君の計らいで、昨日(4月12日)六本木ヒルズを尋ねました。セキュリティー厳戒体制の中、38階まで案内してくれてありがとう。▼たまたまですが、この企業が表向きまともな企業としての最期の一日でもありました。○君、明日上場廃止、その後USENに吸収され、社名が完全に消滅しますが、めげずに頑張ってください、適当に。(別にめげてませんね)▼その後、「Mゝ」という店で飲みました。久しぶりに上手い酒でした。○君ありがとう。こういう日はいつ死んでもいいなと思える日です。あ〜幸せ。


■「収穫逓減の法則」
▼“収穫逓減の法則”という法則を聞いたことがあると思います。“収穫が増えると効率が落ちる”という法則です。これは企業経営では切実な問題です。▼「売上が3億円の頃が一番利益が取れたよ。売上が5億円や、10億円になったらかえって利益が落ちるのはどうして?大変なだけで30億円も50億円も一緒のような気がするよ・・・」▼こういう声は経営者の間でよく交わされる会話です。それは、“収穫逓減の法則”が働くからです。さらに、時代は単純な上昇を許してくれなくなってきました。▼E・F・シューマッハが『スモール・イズ・ビューティフル』(講談社)を書いたのは1973年です。シューマッハは『スモール・イズ・ビューティフル』で「人間の背丈に合わせる方向」を提唱しました。「人間は小さいものである。だからこそ、小さいことは素晴らしいのである」と彼は言いました。▼私は彼が1973年に言ったことはどんどん現実になってきていると思っています。そして、企業も「スモール・イズ・ビューティフル」。その方が「収穫逓減の法則」が働きません。▼仮に売上高3億円が効率的だったのなら、売上高3億円の会社を2社つくっても3社作ってもいいと思うのです。さらに、税制も後押ししてくれます。▼中小企業は、法人税の税率が800万円までは約30%、それを超えると約40%になります。これが会社を2社つくるならば、800万円が2社で1600万円。3社つくれば、2400万円まで約30%の税率が適用されることになります。3社つくるとすると、1社よりも税金が約240万円安くなります。▼しかし、仮に3つも会社をつくると経理の手間だけでも大変・・・と思うかもしれません。これは、昔ならそうだったでしょう。でも、今はシステム化やアウトソース化で昔よりも手間が掛からずに、 経理や総務的な仕事をやりくりすることは可能です。▼ここで、マルクスの言葉を思い出しましょう。“人が問題にするということは、それを解決するものが出てきた時だ”昔ならば、中小企業が複数のグループ企業を経営するというのは難しかったと思います。また、時代が右肩上がりでしたから、一つに集中することのほうがある程度は効率的でした。▼しかし、今は複数の会社を持っても、それを解決する方法はたくさんあります。先に、会社を複数持つという視点から言いましたが、一つの会社で複数のビジネスを持つのも悪くはありません。240万円ぐらいの税金を安くする程度のメリットで手間がかかるのはいやだと考えれば、それも一つのやり方です。▼要は、一つのビジネスを大きくするという発想は、そろそろやめにしたほうがいいということです。(岡本吏郎)