通勤

N0WHereNowhere2006-04-14


朝、6時30分に床を出る。飯を済ませ、身なりを整え、7時15分に家を出る。総武線幕張本郷駅まで15分掛けて歩く。わざとゆっくり歩く。他人のコツコツという革靴の音に惑わされず歩く。人に抜かされても構わず歩く。▼最初の10分ほどは平坦な道だ。残りの5分で上り坂になる。幕張本郷駅一帯は操車場となっているため、駅の入口から300メートル手前から高架橋に上らなければならない。いったん上ってしまえば、操車場の電車群を見下ろしながら歩けばよい。この坂がきついか否かでその日の体調が分かる。▼ちなみに昨年冬、この高架橋から一台の車が路面凍結のためスリップし、総武線と併走する京成線の線路上にさかさまの状態で落ちた。電車が通ってなかったのが不幸中の幸いだったが、24歳の運転手が死亡し、助手席の女性は助かった。▼今日は朝から北風が吹いていた。その風が駅に向かう私の背中を押すものだから、いつもより楽に高架を上ることが出来た。北風には立ち向かうものだと思って生きてきたが、背中を押してくれる北風もあることを知る。▼橋の先にはわずかだが東京湾が見て取れる。まるで日本海のように鉛色に輝いていた。復職からひと月が経とうとしている。私の目に映る海の色はモノトーンから鉛色に出世した。たいした出世ではないが、色が付いた。▼橋は凍結防止の舗装がなされ、転落防止の柵が継ぎ足された。安全になったのはいいのだが、眺望が悪くなった。多少危険でもいいから、見晴らしが良い方が、私は好きだ。