便秘

N0WHereNowhere2006-04-23


はて、何に疲れているのだろうか。休日も仕事のような状態が続いている。少なくとも休日の仕事からは解放されたい。もう少しの我慢か。家を建てるという作業は大変なことだ。▼妻の実家は総武線幕張本郷駅から徒歩10分ほどのところにある。敷地は250坪。でかい。購入したのは30年以上前のこと。周りには家もなく、にんじん畑。大草原の小さな家だった。最寄り駅も歩いて25分京成大久保駅。駅から一番遠い町外れの土地だった。▼ところが20年ほど前にJR総武線の新駅として幕張本郷駅ができ、幕張メッセができ、マリンスタジアムができ、カルフールができ、コストコができ、アウトレットができ、各企業がぞくぞくとビルをたて、おしゃれな集合住宅も立ち並んだ。いわゆる幕張新都心だ。想像だにできないほどに大変な賑わいとなってしまった。元はにんじん畑だった大草原の小さな家は、多くの家に囲まれ、今では逆に大邸宅になった。▼そんな人間の喧騒とは一線を画し、庭内には桜の木がある。幹の胴回りは1メーター、高さ8メーターにもなろう大木だ。30年前はわずか90センチ丈の苗だった。今年は例年以上に見事な花をつけた。桜の木はどのような人間模様を見つめてきたのだろうか。毎年この木を見るたびに、私は桜の木になりたいと思う。家々に囲まれ窮屈そうな桜。徐々に外堀をいめられていく、そんな自らの人生が桜と重なるからだろうか。▼250坪の敷地には、5年前に義弟夫婦が家を建て、ふたり住まいの共働き。本家と並び立つ。本家は本家で30年以上の風雪に耐えてきたが、とうとう耐用年数に至った。3年前に義母が亡くなった。今は義父が一人で住む。昨年からリフォームや建替えの話と同時に、同居の誘いが出ていた。私は休職していたので乗れる話ではなかった。子どもが4人。家族のすみかについては、いつかはどうにかしなければならない問題だとは思っていた。▼3月25日に住宅展示場を訪れ、31日には契約を済ませた。人生の歯車はなかなか回らない物だが、回り始めるとあっという間に回る物だ。7月上旬本契約、8月上旬解体・着工、12月中旬引渡し。私の意志とは関係なくスケジュールが切られていく。▼私はこの家にこだわりがない。まるで弁護士のように、この家の代理人として次から次へと話をまとめて回っている。これが、毎土日に恐ろしい勢いと長時間をもってやってくる。きのう、今日もそうだった。私の気持ちはひとつだけである。妻子への責任。それだけだ。▼とはいえ、敷地は義父の提供。資金の大半もそう。義父と我々家族7人の生活が年内には始まる。それもかみさまのいうとおりか。いいのか、わるいのか、私には分からない。ただ、そこにはさしたる喜びがあるわけではない。家や生活という物への執着。それが私には常人よりもはるかに足りない。だからそこに喜びを見出せずにいる。▼復職、新しい職場、住宅建設。私は生まれてこの方便秘をしたことがない快便派だ。だから、それを便秘に例えていいのやら。しかし、あえて例えるならば今の私は、疲労が便秘を起こしている。この疲労を体の外に出したい。コーラックをください。


▼「リンダリンダ」から20年…甲本ヒロトが“ひとりバンド”
 昨年11月に活動休止宣言したロックバンド、ザ・ハイロウズのボーカル、甲本ヒロト(43)がソロデビューすることが22日、分かった。7月5日に8カ月の沈黙を破り、両A面シングル「真夏のストレート/天国うまれ」を発売する。両曲ともに全パートを1人で演奏する力の入れようで、ザ・ブルーハーツで10年、ハイロウズで10年、音楽活動のすべてをバンドに捧げた甲本の、再出発に賭ける思いが詰まった1枚が完成した。(スポニチ
▼こちらの方が楽しみだ。彼の音楽を聴けば喜びが生まれるだろうか。