「無名詩・悩める人々への銘」

N0WHereNowhere2007-02-06



投げるマウンドがない。球がないと騒いでいると、一冊の小冊子が送られてきた。▼以前当ブログに掲載した詩だった。http://d.hatena.ne.jp/N0WHereNowhere/20050822▼そして、今日いただいた小冊子のおかげで、やっと、この詩の出自が分かった。この詩はアメリ南北戦争に従軍した南軍(負け組)兵士によるものだそうだ。▼それをある男が田舎の教会で見つけた。時は1950年代、男は大統領選に二度出馬し、二回とも敗北していた。しかし、この詩によって立ち直り、以後世の中に広まったという。男の名はA.スティーブソン。元米国国連大使。「宇宙船地球号」という言葉の産みの親である。▼目を見開いたのは、『人生を楽しむためにあらゆるものを求めたのに あらゆるものを慈しむために人生を賜った』と表現されていた部分である。▼以前掲載では『人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのに あらゆることを喜べるようにと生命を授かった』とあった。最後の一番大事なところを理解できずにいたフレーズだった。「生命」が「人生」に置き換わると非常に良く分かる。▼なんと言うことはない。ビクトル・フランクルの「人生」観である。つまり、人生に求めるのが生きるということではなく、人生から求められるものに懸命に答えていくことが生きるということであるということだ。▼あらためて、自らのベクトルの修正を、今日、私は求められた。その機会を与えられた。ありがたい限りだ。

『無名詩・悩める人々への銘』(木版画 高橋幸子)は、幸工房より発行されています。2006年11月2日初版発行です。幸工房:〒249-0006 神奈川県逗子市逗子2-3-19 046-871-5079 。