「誰も知らない」

N0WHereNowhere2007-02-19


金曜日は充実しておりました。10時に出社した。欠勤扱いで労災除外扱いですが。▼通院のため14時半に会社を出でなければならないところ、15時15分まで粘ってひとつお仕事を終えた。内職のような仕事に過ぎませんが。▼ギリギリだったので東京駅から「しおさい9号」に乗った。2120円。千葉までたかだか25分の旅だった。楽しかった。久しぶりに窓にかじりついた。スピードが快速の倍くらいに感じるほどだった。▼日常から離れるためには十分な距離が必要だ。私は、旅とは距離のことだとついつい思いがちである。が、普段体験することのないスピードもまた、旅という非日常への誘いなる。▼確かに愛車で近所の高速道路をかっ飛ばすのは気持ちよい。あれも旅だったのか。「しおさい」が教えてくれたこと。▼千葉駅で普通列車の木更津行きに乗り換え25分、姉ヶ崎駅からタクシーに乗り1040円。16時55分。ギリギリの受付、最後の外来患者。患者も医者も受け付けもそそくさと自分の仕事をこなす。▼会計を終えて次のバスまで25分。残念やっぱりタクシーで。帰りは1460円。運転手の良心が良く分かった。朝からゆっくり用も足せず、姉ヶ崎駅での列車待ち時間15分。そこで何とか致し候ふ。▼内房線直通の快速久里浜行きで津田沼まで。贅沢にもグリーン車750円。▼電車を降りればすぐ隣、同じホームの4番線、下り列車の千葉行きが私を待っていてくれる。何もかもタイミングが合いすぎの様相。▼最寄り駅で降り、弧線橋を下っているとかかりつけの薬局が丁度サトちゃんお片づけの真っ最中。信号赤を無視し、車の切れ目に突入。閉店間際に奇跡的に処方薬ゲット。いつもは翌日になってしまうからね。▼何もかも無駄なく思いの通りに進んだ一日。そんな一日に心より感謝し、何の疑いもなく就寝前の薬を飲む。▼だが、しかし、無事に目覚ますことができたのは翌日土曜日の夜。▼飲んだ薬は「マイスタン」。飲むべき薬は「マイスリー」。誤処方による昼夜逆転サヨナラ満塁ホームラン!!。しかも完全試合直前で。かーっ!効くぅー!▼マイスタンはてんかん患者用。発作時に服用するらしい。なるほど、かつててんかんの取材をしたことがあるが、発作を止めるのはこれくらいの威力が必要なのかと、妙に納得の日曜日。飲むべきマイスリーもなく、十二分に眠ってしまったこの私が、眠れるわけもなく。余波は本日まで及ぶ。▼先ほどあこがれのマイスリーを服用。眠くならねーじゃねーか....。誰も知らない(家族も知らない)私の週末。▼あぁ、楽しい、って心から言える日は、もうないのかな。何もかもがわずらわしさの毒麦を孕んでおり、毒麦だけ抜き取ろうとすると、良い麦までもが成れの果て。▼いっそ毒麦になってしまおうか。そうもいくまい、そんな現実、どうでもいい喜劇のような現生のひとコマ。

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